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みことばの贈り物

茅ヶ崎恵泉教会牧師 坐間 豊

みことばの贈り物(23)2009年6月

 資生堂の社長さんが、「人間は一面的な生き方しか出来ないと、必ず行き詰まる。レコードのようにA面とB面を持ちなさい」と、勧めておられました。もっともです。ただ、残念なことに、今やレコードにとって代わったCDには、B面(ウラ)がなくA面だけですね。

 朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。
(新約・ヨハネによる福音書6章27節)

 それでも社長さんのおっしゃりたいことは、変化する時代を超えて生き続けることでしょう。戦後復興と高度成長を達成し、その波でバブルに興じてストンと落ちてしまった私たちの社会です。再びかつてのようなバラ色の右肩上がりの繁栄を望めません。どこにも誰にも万能な成功マニュアルなどなく、それぞれが自分の生き方を模索していかなければならない今日、大いに考えさせられることだと思います。

 たとえば、「会社のためのA面」と「自分や家族のためのB面」という二面を併せ持つ生き方です。また、誰もがいつでも頼める「定食」メニュー(A面)も良し、「今日の私はこれこれの食材と味と雰囲気を味わいたい」というオーダーメニュー(B面)も良し、です。

 日常のしがらみから解き放たれる選択肢を持てるのは、健康的です。

 今ではかなり自然と思われて来ているそんな生き方も、そうでなかった時代が長らくありました。自分の生き方や価値観とはいえ、実際には社会や環境の大勢に従っていることが多いのではないでしょうか。しかし、どんな時代にも「真理を指し示す知恵」は輝いています。それを見失いたくないし、折りある毎に再発見していきたいものです。そこで、「今月のみことば」です。イエス様のことばです。

 場面は、あるときイエス様の話を聞こうとして、大勢の人々が集まって来たところです。人里離れた所です。お話しを聞いた人々が空腹になりました。イエス様は心配して、少年が持ち合わせたお弁当(「五つのパンと二匹の魚」)を祝福し、五千人もの人たちに分け与えたのでした。この後、イエス様はよそへ移って行かれましたが、人々は追いかけて行って探し当てました。そこで、イエス様は言われたのです:

 「朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。」

 イエス様の不思議なわざ(腹を満たす食べ物)を見て心ひかれた人々でしたが、そのわざをもたらすもっと大切なイエス様自身(永遠の命に至る霊の糧)を求めるよう、教え諭したのでした。

 今の空腹を満たす食物も大事、人生の大きな喜びを見失わないことも大事です。しかし、目先の必要を満たすだけでは、必ずしも人生が有意義になるとは言えません。「小事に忠実な者は大事にも忠実である」(ルカ福音書16章10節)と言われたイエス様は、「人はパンだけで生きるものではない、神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」(マタイ福音書4章4節)とも教えています。これも、いわばA面・B面の思考です。両面あっての豊かな生き方を、教えられます。

 「今を生きる」ことに汲々とする私たちに、イエス様のみ言葉は新しい視界を与えてくれます。

 雨上がりの虹。そのアーチはどこでくぐれるでしょう?いえ、虹はくぐるためにはありません。距離があるから美しいのです。聖書で虹は神様のプレゼントです(創世記9章13節)。私たちの目を足元から上にあげ、み言葉を聞き、心ゆたかにされて歩みましょう。

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